月明洞の構想美術館に行きました。
現在、構想美術館には、鄭明析(チョンミョンソク)先生の個展「帆をつけなさい」が展示されています。鷲を船の「帆」として描いた作品が多いのですが、見ているだけでも鷲の躍動観が伝わってきます。
鄭明析(チョンミョンソク)先生の絵のすごいところは、一筆描きなのに、その一筆から出てくる「線(ライン)」の味わいがあまりにも絶妙なところです!松の木の線(ライン)を描くならば、本当に松のラインそっくりで、松の木がにじみ出た一筆を描きます。また、先生が描く人間のボディーラインを見てみてください。シンプルでかわいいマスコットキャラクターのような絵なのに、よく見ると、人間が持つ特有の線(ボディーライン)が的確なのです。味わいのある線で、その線だけ見ても、人間を愛する心が伝わってきます。
私は趣味で絵を描いているので、人間のラインを的確にとらえることの大変さを知っています。実のところ今でもとらえきれません^^; 私はいろいろ書き足してごまかしてしまうのですが、先生の絵はシンプルだからごまかしようがありません。一筆であのように描けるとは、驚きです。
今回メインで描かれていた鷲の絵も、見てみると鷲の特徴をすべて捉えています。
鋭いくちばし、鋭い目、大きくて頑丈な翼、鉄のような足の爪。
鄭明析(チョンミョンソク)先生の絵は決して写実的な絵ではないのですが、筆一つで核を捉えた絵を描きます。
物の特性をつかんだ絵を描くことも難しいことです。硬さ、柔らかさ、強さ、弱さ、愛らしさ・・・そういったものを筆一本で表現できるのは、並大抵のことではありません。先生は波の動きひとつにしても、絶妙な筆加減で美しく描かれています。
鄭明析(チョンミョンソク)先生の作品、一度ご覧になってくださいね。誰が見てもうなるものがあるはずです・・・!!