「過去の私」
過去の私はなんとなく
ふらふらしながら生きていた。
どこかで吠える 犬の声が
遠い記憶の果てから聞こえてくるみたいに
今や過去の私がどんな風に生きていたか
あんまり覚えていない。
日記をたどってみると
私という存在を
すべて分かってくれる人が
必ずいるだろうと
かすかな希望を胸に
抱いていた。
深いところで叫ぶ私の声を
人々は聞こえなかったけれども
主には聞こえていたのだなあ。
人はどうして生きるのだろうか。
どうして苦しい思いをしてまで
生きる必要があるのか。
子供の時、
はやくおばあちゃんになりたいと
思った。
90%辛くて
10%幸せで
過ぎ去ればもう 忘れている。
人はどうしてこんなに忘れっぽいのか。
どうして人は死んでしまうのか。
何も分からなかった。
けれども
今はたしかに生きる目的が分かった。
過去のように寂しい人生ではない。
たしかに私のことを
すべて分かってくれる人に出会ったから
私は希望を掴んで、生きていける。
過去が輝いて今を照らしてくれる。
未来はそう、
もっと輝いて見えるだろう。