私たちは生まれながらにして偉大な脳を持って生まれたけれども、この脳をちゃんと扱える人がいません。
私は何度も脳の話を書こうと思っていたのですが、あまりに壮大な作品になるため、挫折を繰り返していました。だから壮大さをあきらめて、ぱぱっと書いてみることにしました。

脳に王様がいました。王様はせっせとやること行うことを家来たちに指示していましたが、最近どうも王様のやる気がありません。そしてなんだか絶世の美女と呼ばれる奥さんを持ってからは、奥さんの言いなりになってしまいました。
「最近王様やる気ないけど、大丈夫かな」
「肢体たちが退屈しているぞ」
しかし王様は絶世の美女とやらに心をつかまれ、まったく部屋から出てきません。肢体たちは飽き飽きして、退屈するままに退屈していましたが、だんだんと王様の腰が痛みはじめました。
「いかん。腰が痛い。わしの腰が痛い」
絶世の美女は言います。「腰よりも私をご覧になって」
王様は「もちろん。もちろんだとも。でも腰が痛い」と腰を押さえました。
王様は家来たちに言いました。「わしの腰をもんでくれんか」
家来たちは言いました。
「王様いい加減に働いてくださいよ。このままだと腰どころか腕も、足も、内臓もみんな痛みますよ。それでもいいんですか?」
王様はうーんと悩んで、「たしかにそれだとわしの身がもたない。でも部屋にはいたい」と言うと、「もう知りません」と家来たちみんな王様を放ってしまいました。
王様は腰が痛くて動けないどころか、今度は足の関節まで痛んできました。
「やばい。わし、もう本当に動けない」
絶世の美女はにこにこ笑っていました。
「いいじゃない動けなくても。わたしを見て」
王様はにへらと笑いながらも、ただベットに横たわっていました。
王様はそれ以上部屋から出てくることはありませんでした。そして家来たちも肢体たちもやることがなくて、退屈で、体も心も痛むばかりでした。テレビをつけると、ただ絶世の美女ばかりが写っていて、それはそれはとてもつまらなかったそうです。
私たちって、結構こんな感じじゃないだろうかと思って、
即興でつくってしまいました(笑)
結局脳が機能しないと、体も機能しません。そして機能しないと退屈で、体の節々が痛むように、心が痛みます。
肢体は肢体本来の機能を果たしてこそ辛くありません。脳もそうです。
脳を正しく機能させてこそ、人生をもっと素晴らしく生きることができます。
そんなお話でした。