オヤビンとコブン

「あなたは誰のものか」ミステリ編C③


>>ミステリ編C②

 

 

 

 

 

 

どんなに過ちを繰り返しても

忘れるな

あなたは、私のものだ・・・

 

 

 

 

ピンポーン

ピンポーン

 

 

 

ナリヒサ父
ナリヒサ父
は、はい・・・

 

ガラッ

 

 

カキモト母
カキモト母
すみませんが、
ナリヒサくん、いますか?
ナリヒサ父
ナリヒサ父
え…?

 

 

 

カキモト母
カキモト母
君がナリヒサくんね。
あなたに話したいことがあるの。
ナリヒサ父
ナリヒサ父
…ちょっと誰なんですかあなたは。
カキモト母
カキモト母
…自殺したカキモトの母です。
ナリヒサ父
ナリヒサ父
…!

 

 

 

ちっ

カキモト母
カキモト母
ちょっと待って!
私、聞きたいことがあるの。
ナリヒサ
ナリヒサ
…。
ナリヒサ
ナリヒサ
…オレは特に話すことありません。

 

 

 

 

 

 

 

カキモト母
カキモト母
ナリヒサくん!!

 

 

 

 

 

 

 

 

お前も逃げるのか

ナリヒサ…

 

 

 

ナリヒサ
ナリヒサ
…は?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この度はうちの息子が
申し訳ありませんでした。

 

 

…!!

 

 

本当に申し訳ありません。

本当に本当に…
申し訳ありませんでした…

 

 

…!!

 

 

 

本当に、
本当に…っ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コブン
コブン
…。
友人
友人
コブン
なーに見てんだよ。
コブン
コブン
え、いや、別に。
友人
友人
…なんか考えてるだろ。
コブン
コブン
…。
友人
友人
コブン、やめよって詮索するの。
もう俺達がどうこうできる問題じゃない。
コブン
コブン
…。
友人
友人
それにあいつ
ついにゲロったみたいだぜ。
コブン
コブン
え?
友人
友人
自殺に追い込んだこと。
コブン
コブン
え…ほんとに?!
友人
友人
カキモトのお母さんが学校に来てたみたいだ。そこにミツキとミツキのお母さんも来て会ったって聞いた。
コブン
コブン
そ、そうだったんだ。
でも、ちゃんと話したんだね。
友人
友人
ただ、また新たな虐めが
起こってるみたいだけどね。
コブン
コブン
え?!
友人
友人
ミツキの机見なかった?
コブン
コブン
み、見てなかったや。

 

 

 

…いつかミツキも学校来なくなるぜ。

 

 

 

 

 

キーンコーンー

 

 

 

コブン
コブン
…っ
コブン
コブン
(神様…ぼくたちは
いつまでこんなこと
繰り返すんでしょうか…?)

 

 

 

 

 

ミツキ
ミツキ
何見てんだよ。
コブン
コブン
え、え?
コブン
コブン
あ、いや、その!
ミツキ
ミツキ
ふっ
コブンが書いたのそれ?
コブン
コブン
ち、違うよ!
ぼくは書かないよ!
ミツキ
ミツキ
ふーん。
コブン
コブン
…ねえ、ミツキくんは、
なんとも思わないの…?
ミツキ
ミツキ
何が?
コブン
コブン
こういうことされて。
ミツキ
ミツキ
事実じゃん?
コブン
コブン
…え?
ミツキ
ミツキ
事実が書かれてるまでだよ。
コブン
コブン
ちょ、ちょっとどういうこと?
ミツキ
ミツキ
だって人殺しだろ?俺。
コブン
コブン
…。
コブン
コブン
…ねえ、ミツキくんはどうして平気で虐めることができるの…?
なんで相手が苦しんでるのを見て普通でいられるの?
ミツキ
ミツキ
ミツキ
ミツキ
…慣れたからじゃん?
コブン
コブン
え…。
ミツキ
ミツキ
俺、むしゃくしゃするんだよね。
でも誰か苦しむの見ると、
スッキリするんだ。
コブン
コブン
…?!
コブン
コブン
…ぼくには理解できない。
ミツキ
ミツキ
…ふふ、理解してもらおうなんて
思ってないから。
コブン
コブン
…ミツキくんは、苦しくないの?
ミツキ
ミツキ
え?
コブン
コブン
ぼくがミツキくんだったら、
苦しいと思う。
ミツキ
ミツキ
…別に。
コブン
コブン
…ほんとに?すごいな…。
理解してもらえないって、
すごく苦しいことだと思うけど…。
ミツキ
ミツキ
…。
コブン
コブン
…ミツキくんだって慣れないときが
あったんじゃないの。
その、苦しみに…。
ミツキ
ミツキ
…。
ミツキ
ミツキ
…俺はさ、
優等生でいたらいいんだ。
コブン
コブン
…え?
ミツキ
ミツキ
…そういう姿が
唯一俺に残された姿。
コブン
コブン
…?!
ミツキ
ミツキ
…でも、もうおしまい。
全部ツケは払ってもらわないと。
コブン
コブン
…え?
コブン
コブン
だ、誰にツケを
払ってもらうの…?
ミツキ
ミツキ
俺をこんな風にした
やつだよ。
コブン
コブン
…!
コブン
コブン
…それって…
ミツキ
ミツキ
ふ、コブンには分からない話さ。

 

コブン
コブン
ねえ、
ミツキくん、明日も学校来る?
ミツキ
ミツキ
…行くよ。
コブン
コブン
…また、いろいろ聞かせてよ。ね。

 

ミツキ
ミツキ
…。
ミツキ
ミツキ
…コブンは虐められたことある?
コブン
コブン
…え?
ミツキ
ミツキ
…俺はずっと虐められてる。
無言の虐めさ。
コブン
コブン
…ど、どうゆうこと…?
ミツキ
ミツキ
俺明日、問題起こそうと思ってる。
コブン
コブン
え?!
コブン
コブン
な、何をするの?!
ミツキ
ミツキ
あはは〜
真に受けてる。
ミツキ
ミツキ
コブンだったらさ
きっと止めに来るんだろうね。
ミツキ
ミツキ
…じゃ。
コブン
コブン
ちょ、ちょっと待ってよ!
そんなこと言われてもぼく困るというか
どうしたらいいの?
明日学校来るんだよね?!
ミツキ
ミツキ
行くよ。
優等生である限りね。
じゃ。
コブン
コブン
…。

 

 

神様…ぼ、ぼく

どうしたらいいんでしょう??

 

何か、何か起こる前に
止めないと、いけない気がしてます。

でも、でも…

 

 

 

 

 

恐れろ。

 

怖がれ。

 

誰も止められない。

 

話しても無駄だ。

 

あいつは

俺のモノなのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

神様

ぼくが代わりに悔い改めます。

だから

彼らを生かしてほしいです。

 

 

 

神様

すべての人は
神様のものですよね?

神様が
愛する人達ですよね?

ぼくは
神様が愛する人達が
苦しんでいるのを
見ていられないんです。

 

 

 

オヤビン
オヤビン
…なんや…また夢、か。
オヤビン
オヤビン
…なんでこう、胸が締め付けられるんやろな。

 

ブッブー

「わたしがきたのは、義人を招くためではなく、罪人を招いて悔い改めさせるためである」(ルカによる福音書5:32)

オヤビン
オヤビン
…キリストが来たのは
罪人を招いて悔い改めさせるため、か。
オヤビン
オヤビン
せやけど
悔い改めるには
知らないといかんのやろ?

 

 

…だから伝えるんです。

 

 

 

オヤビン
オヤビン
…!

 

オヤビン
オヤビン
あの少年、
それであんなことゆーたんか?

 

 

ブーブーブー

オヤビン
オヤビン
こ、コブンか。
コブン
コブン
…あ、オヤビンさん。
オヤビン
オヤビン
どうした。また何かあったか?
コブン
コブン
ぼく、やっぱり
首を突っ込みすぎちゃいました。
オヤビン
オヤビン
…あ?
コブン
コブン
…オヤビンさん、
もし、もしオヤビンさんの前に
問題を起こそうとする人がいたら
オヤビンさんならどうしますか?
オヤビン
オヤビン
…なんやそれ。
その質問、おかしくないか?
問題が起こること前提か?
コブン
コブン
ぼくにも分かりません。
オヤビン
オヤビン
おいそれ
質問されても
わしも答えられんというか
コブン
コブン
でも問題が起きてからだと
遅いかもしれません。
オヤビン
オヤビン
は?
コブン
コブン
ぼく、止めてあげたいです。
でも、あまりにも分からなすぎて…っ
オヤビン
オヤビン
おいおい泣いとんのか?
まずは落ち着こ!
オヤビン
オヤビン
あれや、祈ったらどうや?!
コブン
コブン
もーー
たくさん祈りましたよぉお!!!
オヤビン
オヤビン
えぇー?!
(か、神さん、どうしたらええんや)
オヤビン
オヤビン
も、
もしかして虐めのことか?
コブン
コブン
オヤビン
オヤビン
せやけどそれ、
もう解決したんやなかったんか?
コブン
コブン
何言ってるんですか!!
全然解決してませんよ!!
オヤビン
オヤビン
急に怒らんでも…。
コブン
コブン
…オヤビンさん、
全然解決なんかしてないんですよ…
コブン
コブン
ぼく、虐めをしたナリヒサくんとも、ミツキくんのこと
何も知りません…。
コブン
コブン
どうして虐めをするようになったのか
知らないんです。
何が彼らをそうさせてしまったのか…。
オヤビン
オヤビン
…。

 

 

 

 

根本的なところは
何一つ解決していないんです。

 

 

 

 

 

無知がどれほど恐ろしいのか。

 

神様、
ぼくが悔い改めます。

 

 

オヤビン
オヤビン
…コブン、もう少しだけ詳しく聞かせてくれんかの。
ほんで最後、神さんにもっかい祈ってみんか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミツキ
ミツキ
ただいま。
ミツキ母
ミツキ母
おかえり。
ミツキ母
ミツキ母
…ねえ、ミツキ。
ミツキ
ミツキ
ん?
ミツキ母
ミツキ母
ミツキ…本当にカキモトくんを
自殺に追い込んだの?
ミツキ
ミツキ
…。
ミツキ母
ミツキ母
もしかしてああいう場だから
本音を話せなかったとか、そういう…
ミツキ
ミツキ
俺の話を信じられないの?
ミツキ母
ミツキ母
え、いや、そういうことじゃなくて。
ミツキ
ミツキ
そう?
ミツキ
ミツキ
それとも”虐めをした俺のことが
認められない”とか?
ミツキ母
ミツキ母
え…?
ミツキ
ミツキ
”いい子の息子であってほしい”んじゃないの?
ミツキ母
ミツキ母
…そんな、なんでそんなこと。
ミツキ
ミツキ
俺、もっと問題起こすから。
ミツキ母
ミツキ母
…え?
ミツキ
ミツキ
疲れたからもう寝るね。
ミツキ母
ミツキ母
…ちょっとミツキ…どういうこと?!
ミツキ
ミツキ
何真に受けてんのお母さん。
嘘だよ嘘。
ミツキ母
ミツキ母
ミツキ
ミツキ
…俺はそういうことする子じゃない。
それを信じてるんでしょ?
ミツキ母
ミツキ母
…ミツキ…

 

 

バタン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰か

 

助けてほしい。

 

心の深みに

 

誰か

 

届けてほしい。

 

私の愛を…

 

 

>>ミステリ編C④

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