はやく
はやく
はやく・・・・・！！
ブー ブー
オヤビン
おい、おいコブン、今どこにおんのや！？
コブン
はあ、はあ、オヤビンさん、すみません、
ヒロフミくん追ってるんですけど・・・
ヒロフミくん追ってるんですけど・・・
オヤビン
ああ？なんやそんな息荒くして…
コブン
すごく速いんです。
というか、走ってます！！！
というか、走ってます！！！
オヤビン
ええ！？
コブン
今ですね、キムラヤってスーパーの前なんですけど・・・
なんか、なんか、探しているみたいで・・・
なんか、なんか、探しているみたいで・・・
オヤビン
な、なんかって、何をや・・・
コブン
上を、向いてるような…
はやく・・・
解放されたいだろう？
コブン
高いところを探しているような・・・
オヤビン
・・・え？
オヤビン
待て、それはなんか、あかんやつやないか？
なんとかヒロフミに声かけられんか？
なんとかヒロフミに声かけられんか？
コブン
はい！ちょっと頑張ってみます！！
オヤビン
わしも今行くからねばってくれ！！
コブン
はい！！
ピッ
コブン
神様！共にしてください！！！
コブン
ああ・・・あれ！？あ、どこ！？
コブン
うそ・・・どうしよう・・・。
オヤビン
はあ！はあ！
ほんまに、まさか、自殺せえへんやろな！？
ほんまに、まさか、自殺せえへんやろな！？
オヤビン
神さん！どないしたらええ！？
わしが行ったところで、何もできへんけど・・・
わしが行ったところで、何もできへんけど・・・
違う
違う
はやく
はやく
走って
伝えてほしい
伝えてほしい
おじさんこっち！！
オヤビン
…ん？
オヤビン
あ…キムラヤ、ここか！
オヤビン
この辺で・・・えーっと、高い場所・・・
高い場所・・・
高い場所・・・
オヤビン
あ、あそこしかないと思うんやが・・・
オヤビン
…て、悩んでる暇ない！行くで！！
ブー ブー
オヤビン
おい！コブン今どのへんや？！
ヒロフミ声かけたか！？
ヒロフミ声かけたか！？
コブン
そ、それが、見失ってしまって・・・
オヤビン
はあ！？
コブン
今、高い場所、あそこかなってところ行くところで…
オヤビン
わしもそこしかない気がして
向かってるんや！
向かってるんや！
コブン
そ、そうですか！！
オヤビン
一か八かやけどな・・・・
コブン
お、オヤビンさん・・・
でもぼく・・・
どうしたらいいか分かりません・・・
でもぼく・・・
どうしたらいいか分かりません・・・
コブン
もし、もしも本当にヒロフミくんが・・・
オヤビン
待て待て！と、とにかくや。
まだヒロフミの気持ち知らんやろ？
わしらの早とちりだって考えられるわけや。
ひとまず落ち着こう。
まだヒロフミの気持ち知らんやろ？
わしらの早とちりだって考えられるわけや。
ひとまず落ち着こう。
オヤビン
お、落ち着くけど・・・
オヤビン
・・・そだ、ヒロフミに電話してみたらどうや？
連絡先知っとんのやろ！？
連絡先知っとんのやろ！？
コブン
あ・・・たしかに・・・！
ちょっと電話してみます！！出るかわからないけど・・・
ちょっと電話してみます！！出るかわからないけど・・・
オヤビン
わし、その間に建物のぼってみる！
コブン
は、はい！！
ピッ
コブン
ヒロフミくん、ヒロフミくん、出て、出て！！
ブー ブー
ブー ブー
ヒロフミ
・・・コブン・・・。
ヒロフミ
・・・・・
・・・・ピッ
コブン
あ！！！！フミくん！！？
ヒロフミ
・・どうしたの急に・・・。
コブン
あ、いや、ほら、さっきフミくんちらっと見かけたからさ、
こんな時間にどこに行くのかなあって・・・
こんな時間にどこに行くのかなあって・・・
ヒロフミ
・・・買い物だよ。
コブン
あ、そ、そうだよねえ！だと思ったんだけどさ・・・！
ちょっと前にすれ違ったから、せっかくだし、話したいことあってさ！
今、どこにいるの？
ちょっと前にすれ違ったから、せっかくだし、話したいことあってさ！
今、どこにいるの？
ヒロフミ
・・・これから帰るところだよ。
コブン
あ、そ、そうなの？
なんだー話したかったなあ！
なんだー話したかったなあ！
ヒロフミ
いつでも話せるじゃん。
コブン
う、うん！たしかに！明日も学校だもんね！！
ヒロフミ
・・・・
コブン
ねえ、明日学校来た時、一緒にさ、ちょっとおもしろいゲームぼく見つけてさ！
良かったら遊びに行かない？あ、ほらあの、サングラスのおじさんがさ、すごいゲーム好きではまっててさ！ぼくも試しにやったらすごい面白かったんだよ！
良かったら遊びに行かない？あ、ほらあの、サングラスのおじさんがさ、すごいゲーム好きではまっててさ！ぼくも試しにやったらすごい面白かったんだよ！
ヒロフミ
・・・そうなんだ。
コブン
ヒロフミくん、あんまやったことないかもだけど、
たまにはさ！ストレスなんかぱーっと晴らしちゃおうよ！
ね！あいつらのことなんて、もう、ぱーっと！！
たまにはさ！ストレスなんかぱーっと晴らしちゃおうよ！
ね！あいつらのことなんて、もう、ぱーっと！！
ヒロフミ
・・・・コブン・・・。
・・・コブン、ありがとう。
でも、ぼくはもう、辛い・・・。
コブン
・・・・え・・・・。
コブン
ねえ、今、どこにいるの！？
ぼくで良ければ、話聞くからさ。
頼りないけど、少しでも話したらちょっとは気持ちも休まるよ！
ぼくで良ければ、話聞くからさ。
頼りないけど、少しでも話したらちょっとは気持ちも休まるよ！
ヒロフミ
・・・ぼくはもう、終わりにしたい。
コブン
・・・ちょ・・・ちょっと待ってよ！！
今、どこ？？ぼく行くからさ！！教えて！！
今、どこ？？ぼく行くからさ！！教えて！！
ヒロフミ
・・・コブンにも、迷惑かけちゃうから・・・。
そうだ、もう、終わりにしよう。
これ以上誰にも迷惑かけないで、終わりにしよう。
辛いことも終わりにしよう。
走れ
叫べ
叫べ！！！！
ヒロフミ
コブン、ごめんね。
ピッ
コブン
え・・・ねえ！待って！！ねえ！！！！
ヒロフミ
・・・お母さん、ごめんなさい。
叫べ・・・
伝えてくれ！！！
叫んでくれ！！！！
私の代わりに！！！！
ドックンッッッ
…！！！？！
・・・・・！！！
ガッ！！
そうだ
そうだあなた・・・！！
私の声が聞こえるか？
私があなたの生きる道になる。
私があなたの生きる道だ。
信じてくれ・・・・。
私はあなたを愛している。
うっ・・ううっ・・・・
・・・・・っ
・・・・神さん・・・・。
生きることまで
やめたくなる世界なんやここは・・・・
せやけど・・・・
神さんどうかほんまに・・・・
生きたいと願う世界に変えてくれ・・・・。
タタタタタタ
コブン
お、オヤビンさん！！！！
コブン
！！！！
コブン
ヒロフミくん！！！！！
ヒロフミ
・・・コブン
コブン
もう！！！心配したよ！！！
ほんとに心配したよ！！！！
ほんとに心配したよ！！！！
ヒロフミ
・・・・
ヒロフミ
・・・ごめんコブン・・・こんな自分のために・・・
コブン
何言ってんの！！！
こんなじゃないよ！！！！
こんなじゃないよ！！！！
コブン
ヒロフミくん！もう、あいつらの言いなりになるのやめよう！
奴隷じゃないんだし！！
奴隷じゃないんだし！！
ヒロフミ
・・・・でも・・・。
コブン
ぼくは最後まで戦うよ！！
ヒロフミ
・・・・。
オヤビン
なあ、お母さんには話しとんのか？
ヒロフミ
・・・・いや・・・。
オヤビン
ならまずは話すことから始めよ。
ほんでほんまに辛いんやったら、学校も行かなくてもええと思ってる。
ほんでほんまに辛いんやったら、学校も行かなくてもええと思ってる。
ヒロフミ
え・・・。
オヤビン
それは別に負けることやない。
ヒロフミ
・・・・。
オヤビン
・・・ええか。
ボコボコになっても、勝てばええんや。
ボコボコになっても、勝てばええんや。
ヒロフミ
・・・・？
オヤビン
・・・・”生きる”ことや。
キーンコーンカーンコーン
…
…
それからヒロフミは学校に行かなくなった。
お母さんにも話したらしい。
コブンはたまに、
ヒロフミの家に遊びに行く。
少し笑顔も増えてきたそうや。
学校も少し
落ち着いたとか…。
せやけど
この話には
まだ続きがあったんや。
思いもよらなかった
続きが…。
ミステリ編B fin
